ロミオとジュリエットの時代、14世紀には、ヴェローナの街には堅固な要塞が造られました。
イタリアは今でこそ一つの国ですが、当時のイタリアは中小の独立した国家に分かれていました。
ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィアなどが、互いに外国だったのです。ヴェローナもそんな都市国家の一つでした。
各都市国家は、お互いに血みどろの抗争を繰り返していました。
当時のヨーロッパは、特にイタリアの歴史は、2つの大きな勢力に翻弄されていました。
一つは、神聖ローマ帝国、今のドイツのあたりにあった大国です。
もう一つは、カトリックの総本山ローマの教皇庁です。
二つの巨大勢力は、イタリアの各都市国家を自分の陣営に引き込んでいきます。
イタリアの各地で、皇帝派と教皇派が入り組んで、それぞれの国が抗争を繰り返していたのです。
ところがヴェローナでは、皇帝派と教皇派、東西・南北の重要な街道が交差する要衝にありましたので、二つの勢力が併存していました。
ですから、街の中でも、2つの勢力に付く家がそれぞれ現れ、互いに争いを繰り返すことになってしまったのです。
ロミオの家は皇帝派、ジュリエットの家は教皇派に属していました。
二人の死は、単に家同士の争いがもたらしたものではなく、イタリア中を巻き込んでいた政治的な根深い対立を背景にしていたのです。
ロミオとジュリエット 時代背景 宗教
イギリス中世文学 2020. 08. 01 2019. 07.
ロミオとジュリエット 時代背景
W. ミラーの絵画に基づく A.
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