留置針(サーフロー)挿入時のコツ:まとめ
今回ご紹介した中で『留置針(サーフロー)挿入時のコツ』が一番大切だと思うので、まとめてみました。
留置針を穿刺する
↓
留置針の内筒部分に逆血を確認する← 内筒が血管に入った
留置針を1~4mm進める
留置針の外筒部分に逆血を確認する← 外筒が血管に入った
留置針を寝かせる
アップテンションで留置針を進める← 留置針を血管内に通す
外筒のみを根元まで挿入し、内筒を抜く
一般的な手順とコツは上記のようになりますが…
留置針挿入の角度、留置針を寝かすタイミング、留置針挿入の長さなどはそれぞれ
血管によってコツは微妙に変わってきます! 色々な血管で留置針(サーフロー)を挿入して経験を積んでいきましょう! 留置針(サーフロー)挿入が上手くなる方法
今回ご紹介した留置針(サーフロー)挿入のコツを試してみてもうまくいかないという方は、他にも色々と試してみましょう。
留置針(サーフロー)挿入が失敗する原因を探す
留置針(サーフロー)挿入の失敗が続く方はその原因を考えてみましょう。
留置針(サーフロー)挿入で、よくある失敗する原因をまとめてみました。
駆血帯を巻きすぎる、血管を圧迫しすぎる
→血管が潰れて留置針を穿刺する際に破裂してしまう
逆血がきた時点で針を進めず内筒を抜き滴下する
→血管壁を突き破った位置なので滴下しても血管外で漏れる
針を刺した角度のまま針を進めすぎる
→血管そのものを下に突き破ってしまう
留置針(サーフロー)挿入の時には上記のような事が原因でうまく行かない場合が多いです。
思い当たる方は、次回の留置針(サーフロー)挿入の時は改善していきましょう。
チューブを使って穿刺の練習をする
血管をイメージしろって言っても目に見えないからよくわかんない! そう思っている新人看護師さんにおすすめの方法があります。
病院の輸液チューブや経管栄養のチューブを血管に見立てて一度針を刺してみてください。
チューブは血管と違って目に見えますし、しかも透明になっているので血管の中に針を通すという感覚がとてもイメージしやすいです。
「ここで内筒抜いてもまだ外筒が入ってないや」
「針を進めすぎたらこんな感じで血管を突き破るのか」
と、きっと新たな発見がありますよ! あなたの失敗の原因が見つかるかもしれません! 点滴静脈内注射留置針の方法. とにかく上手い医師、先輩看護師を研究する
色々と書いてきましたが…
患者さんの血管によって留置針(サーフロー)の挿入方法が変わってきますので経験あるのみです。
自分の留置針(サーフロー)挿入の手技に自信がなければ、 上手い医師や先輩看護師を徹底的に観察して技術を盗みましょう!
点滴 静脈 内 注射 留置 針
静脈と神経の走行を理解した上で血管を選ぶ
留置針(サーフロー)を挿入する際の第一選択肢は一般的に、 上肢の前腕 とされています。
上肢前腕の血管や神経の走行をきちんと理解した上で留置針(サーフロー)を挿入する様にしましょう。
留置針(サーフロー)の挿入に望ましい血管は以下の3つです。
留置針(サーフロー)挿入に望ましい血管
橈側皮静脈
肘正中皮静脈
前腕正中皮静脈
逆に留置針(サーフロー)挿入を避けた方が良い血管もあります。
留置針(サーフロー)挿入を避けるべき血管
尺側皮静脈
橈側皮静脈(手背・手掌側)
留置針(サーフロー)の挿入に適した血管は…
近くに神経が走っていない太い静脈! 尺側皮静脈のそばには内側前腕皮神経
橈側皮静脈(手背・手掌側)のそばには橈側神経浅枝が走っているので、神経損傷のリスクがあります。
静脈や神経の走行を理解すれば、神経損傷のリスクが軽減するため安全です! 点滴 静脈 内 注射 留置 針. 静脈弁を意識する
あなたは静脈弁を意識しながら留置針(サーフロー)を挿入していますか? 静脈弁とは、 静脈に存在する血管の逆流を防ぐために心臓に向かって付着している弁 の事をいいます。
要するに…血管のところどころにある 節になっているような部分 です。
留置針(サーフロー)を挿入する際は
静脈弁を避けるように挿入するのがポイント! 静脈弁に留置針(サーフロー)を穿刺すると刺さりにくかったり、血管には入っているけど静脈弁に留置針が潰されて点滴は落ちないという事が起こってしまうのです。
静脈弁の見つけ方
『静脈弁ってどうやって見つけるの?』
そう思っている方のために 『静脈弁の見つけ方』 も合わせてご紹介しておきますね。
心臓から遠い方の血管を塞ぐ
血管から血液を絞り出すように心臓の方向に向かって血管をしごく
中枢側の指を外す
上記の方法を試すと、静脈弁のあるところで血液の逆流が止まるので血管が膨らみます。
静脈弁の付近は避け、静脈弁よりも中枢側の血管を選んで穿刺してくださいね。
細かい見つけ方を書きましたが…
血管の中枢から抹消にかけて血管を指でなぞるように抑えるだけでも、静脈弁は周囲の血管よりも少しふっくらとした感じに見えます。
是非ご自分の血管を指でなぞって静脈弁を見つけてみてくださいね! 駆血帯はきつすぎず、ゆるすぎず
もしかしてあなたは駆血帯はきつく巻けばきつく巻くほど血管が怒張して刺しやすくなると思ってはいませんか?
是非、仕事の空き時間に1つ留置針(サーフロー)を拝借して色々触ってみてください! 留置針(サーフロー)が上手になるコツ
留置針(サーフロー)挿入前のコツ
2、3本の指を使ってじっくりと血管を探す
留置針(サーフロー)挿入の際は 血管選びが超重要 ! 血管選びの段階で成功するかどうかの8割は決まっていると思ってください。
同じ走行の血管でも穿刺する位置によって上手くできるかどうかは大きく変わります。
指を2、3本指を使ってじっくりと血管を探しましょう! 留置針挿入に適した血管
太い血管
まっすぐな血管
適度な弾力がある血管
留置針挿入を避ける血管
細い血管
蛇行している(曲がっている)血管
弾力がない血管
手で押すと凹まずに逃げる血管
指の腹全体を使ってゆっくりと穿刺を予定している範囲に触れて
目には頼らずに手先の神経を研ぎ澄まして血管を見つけましょう。
良い血管を見つけると留置針(サーフロー)挿入成功の確率がグンと上がります! 血管を出す努力をする
色々探して血管が見つからない場合も諦めないでくださいね! そんな時は…
血管を出す工夫しましょう! 血管を出す工夫
手を握ったり開いたりする
手を下げて心臓よりも低い位置にする
ホットパックをして手を温める
腕を曲げたり伸ばしたりして血管を探す
十分に食事や水分を取ってもらう
抹消が冷えている患者さんに対しては ホットパック も効果的です。
また、脱水などの影響で血管のボリュームがなくなっている事も考えらるため
食後に再度トライしたら血管が見えるようになっていたなんて場合もあります。
「血管がないー! !」 と思ったら焦らず諦めずに色々な事を試してみてください。
なるべく太くまっすぐな血管を選ぶ
留置針(サーフロー)挿入する血管は…
太くてまっすぐな血管
が、鉄則! 細く蛇行している血管
細く蛇行している血管は留置針(サーフロー)が入りにくいですし、
例え留置針(サーフロー)が入っても滴下むらができたり、漏れたり詰まりやすくなります。
太くまっすぐな血管
でも太くまっすぐな血管なら大丈夫! 点滴の滴下もスムーズで、留置後も長持ちします! 穿刺する前、実際に血管に留置針かざして長さが血管>留置針になっているかを確認するとわかりやすいですよ。
まっすぐな血管がなければやむおえず蛇行している血管を選択しますが…
蛇行している血管をまっすぐに矯正するイメージで外筒をゆっくりと慎重に進めます。
バッチリ血管に入る様にできるだけ太くて真っ直ぐな血管を見つけましょう!